涙のあとは 第4章 my brother |
2000年10月 しいな 作 |
私は、弟とご飯を食べていた。 私が明太子たらこスパゲティとウーロン茶で、弟はオムライスとコーラ。 そして、2人でサラダとチョコレートパフェを食べる。 携帯の音が鳴る。バッグから携帯を出す。 その時、翼君から借りたハンカチが目に入る。 私はピッとボタンを押して耳にあてる。 「もしもし?」 「蒔?俺、洋介・・。」 聞き覚えのある奴。洋介・・元恋人で幼なじみ。 「なに?どーかした?」 「あのさ、俺・・別れたくないから・・。」 もう、だまされないんだからね。ほんと、何度この言葉で騙されたことか・・。 「聞きたくない。もう、2人では会わないから。彼女いるんでしょ? 放っておいてくれる?じゃ、叔父さんや叔母さんによろしく。」 「あっ、マキ!・・」 私は携帯を切る。パフェを食べている、巧の視線を感じる。 「洋ちゃん?・・喧嘩したの?」 心配そうに聞いてくる。 「もう、いいんだ。やめるの。だって疲れちゃったんだもーん。」 私は茶化してパフェをつつきながら弟に向かって言った。 「だから泣いてたんだー。」 あらぁ、弟にはバレバレだー。 「洋ちゃん、女癖わるいもんね。幼なじみとしてはいいけどねぇ。別れちゃって正解だよ。」 おませな弟だよ。相変わらず。 ふと、時計をみる。ご飯も食べたし、家に電話しょうかな。 私は電話をする。母が出て、すぐ迎えに来るという。場所を説明して切る。 「外で待ってようか?」 身支度をして、席を起つと、後ろを振り向くと・・。 「こんばんわー!」 弟の嬉しそうな大きな声が店内に響く。Jrがご飯を食べている。 すごい量かも・・。私は翼くんと目が合う。 「今日は楽しかった?」 滝沢くんが弟の頭をうりうりする。弟は頷く。 「今日はありがとうございました。弟またまた来たいって言ってるんでよろしくお願いします。」 山下君、生田くん、滝沢君と翼君にお辞儀する。 「僕らなんもしてないっすよ。がんばってダンス上手くなろうな?」 山下くんはにっこりと笑いかけてくれる。 私は翼くんを見る。彼も私を見てる。お礼言った方がいいよね。 「あの・・翼君。」 「あ・・はい?」 突然、声を掛けられてびっくりしている。 「ハンカチどうもありがとう。洗って返します。」 Jrの他の3人が翼くんを見る。 彼はその視線に我慢できないのか・・。いきなり立ち上がる。 「いつでもいいから・・、じゃ、滝沢、俺もう行くわ。」 「おっ、おー、また電話する・・。」 山下くんや斗真くんにも手を振って店から出ていった。 私、何か悪いこと言っちゃったかなぁ?ふと、3人の視線が私に集中してる。 「あの・・?」 私が戸惑っていると、滝沢君がいきなりカメラを構えて、「笑ってー。」と私を写そうと してる。 何故か条件反射で笑ってしまう。パチパチと何枚か撮られる。 「うんと、これあとで渡すから、携帯の番号とか教えてくれる?」 私は深く考えずに、自分で作った名刺を渡した。 「藤原・・何て読むの?あ・・ローマ字だ・・。マキさん?」 「そう・・。あ!私行かないとそれじゃ、翼くんによろしく。」 頭を下げてそう言う。そとにもう父が迎えに来てたのだ。 お金を払ってお店をでて車に乗り込む。 彼らはファミレスの窓から手を振ってる。 巧も「ばいばーい。」と振ってる。 何か、変な感じだなぁ。翼くん気分でも悪くしたかな・・。 何でだろ。 |