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心を開いて・・・第2章
Your dream I believe 
2000年10月
海亜 作


結局、深い眠りに入ったのは5時過ぎ。
そして、その3時間後に目が覚めた。
夏の暑い日差しとお母さんの笑い声で。

眠い目をこすりながら鏡の前でファッションショー。
『もう〜。どの服にしよっかなぁ。これがいいかな?』
私は散々迷った挙げ句、普段着にする事にした。
気合が入ってる!なんて思われたら嫌だったから。
と言うよりお洒落した姿を見て反応されるのが恐かったのかもしれない。
『でも・・・これっくらいいいよね。』
手首に香水(CK)を浸けた。気付くかな?なんて期待しながら。

9時過ぎ。外の気温は、もう30度を超えていた。
『今日も暑いなぁ〜。』
シャワーをしてきたのに、もう額に薄っすら汗を感じる。
走り書きされた地図を片手にマンションを探す。
『えっ、ここ?』
私は驚いた。
人気アイドルが住む場所だから豪華なんだろうと思っていたのに 案外普通だったから。
でも、そういうところも彼らしい。

ピンポーン。
チャイムを押した。 ガチャ!
ドアが開いた。

『あっ、おはよう。』
TシャツにG−パンというラフなスタイルで現れた。
普段、見慣れてるはずなのに何故がドキドキしてしまった。
髪の毛が濡れていたから。首にタオルが掛かってる。
シャワーでもしてたのかな?

『おっ、おはよう・・』
私は少し遅れた挨拶をした。そして玄関でボーっと立っていた。

『なに突っ立てんの?ちょっと散らかってるけど上がってよ。』
滝沢くんは、そう言うとスタスタ歩き出した。
えっ?家に上がるの?外に出るんじゃ・・・

私は用意されたスリッパに足を入れた。
『おっ、お邪魔しま〜す。』
少しドキドキしながら入った。
“散らかってる”なんて言ってたけど・・・嘘だった。
使用してると分かるキッチン。
ソファーに掛かってるシーツ。
雑誌、ビデオの置き方。
どれを見ても普段から手入れされてるのを感じた。
リビングは白と黒のモノトーンで統一されていて時折混ざってる青色がセンスの良さを物語っていた。

半分ほど開いてる戸の隙間に目が行った。寝室。
凄い機材の数。その中でも私が分かるのはコンポくらい。
前に雑誌で読んだ記事を思い出した。

コンサートの構成や作曲なんかは自分の部屋でする。
その空間に入ると何もかも忘れて没頭出きるんだ。
徹夜なんて当たり前。疲れないか?って?全然。楽しいもん。
好きな事が出来るって幸せ〜って思う。


プライベートな部分を見れたような気がして嬉しかった。
ほんの少し近付いた様な気がしたから。


―つづく―




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