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君を想うとき・・・ 第6章
we can fall in love
2000年10月
海亜 作


翌日、佳子さんと新横浜駅で待ち合わせをしてちょっと早い夕食を取る為【ラーメン博物館】に足を運んだ。

『ここ美味しいって有名なのよ。私1度入ってみたかったの』
『はい。私も前から入りたいと思ってました。いい匂いですねぇ』
『ほんと。急にお腹が空いて来ちゃった。さっ!急ぎましょっ』
佳子さんは時々子供みたいに感じる時が有る。
今日も普段の厳しい表情は見せず優しい笑顔で私を見てくれる。

『ふぅ〜。美味しかった。30分待っただけの事は有ったわね』
『はい。凄く美味しかったですね』
『あっ、私、揚げパン買ってくる。外で待ってて』
ほんと・・・子供みたい。可愛いなぁ。

会場の横浜アリーナに着いたのは午後5時過ぎ。
時間に余裕が有ったはずなのに結局ギリギリになってしまった。
『滝沢く〜ん!今行くから待っててねぇー』
佳子さん・・・やっぱり子供。って言うよりファンの子になってる。
その証拠に滝沢くんのうちわまで買ってた。
『これ買った事、滝沢くんにはヒ・ミ・ツ・よ。いいわね?』
『はい!』
何故か張り切って答えてしまった。
『はい。今日もとっても良い返事ね。いい子ちゃん!』
はぁ〜・・・今度はお母さんになってるよぉ。
『でも・・・会場に入るとバレちゃうんじゃ・・・』
『あっ、そっか。でも、バレてもいいわ。もう気付いてると思うし』
やっぱり・・・子供みたい。

会場に入るとファンの子達で埋め尽くされていた。
もの凄い熱気を感じる。

私達の席は、いわゆる招待客席と言われていて、とても見易い場所だった。
『ねぇ〜。こんな良い席で見ちゃっていいの?ねぇー!ねぇー!』
佳子さんは私の肩をバシバシ叩いて喜んでいた。

そして会場の明かりが一斉に落ち、会場中がザワザワし出した。
若い女の子達の黄色い歓声が響き渡る。
そして横山くんのナレーションが流れてコンサートが始まり、滝沢くんがフライングで登場した。
初めて、それを見て落ちないんじゃないか心配になってしまった。

瞳を閉じて〜 もう一度未来の自分を想い浮かべて

『みんなー!盛り上がって行こうぜぇー!』

爆音と花火と滝沢くんの声が私の鼓動を一気に加速させた。

ステージで踊り歌う滝沢くんは光り輝いてた。
私と冗談を言い合ってる滝沢くんとは・・・別人のよう。

凄いなぁ・・凄いよ。やっぱり滝沢くんはJr.のタッキーなんだね。

ステージの上で歌い踊る姿を見てそう思った。痛感した。

―つづく―


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