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君を想うとき・・・ 第4章
we can fall in love
2000年10月
海亜 作


私は以前から交際を申し込まれて断っても断っても しつこく付きまとうあの男を思い出し、
気分が悪くなってしまった。
佳子さんに偶然見られてしまった日は、最後にもう一度だけ会いたいと言う あの男の言葉を信じて夕食を共にしていた時だった。

『・・・ごめん。俺。まずい事言っちゃった?』
『・・・ううん。いいの。もう過去の事だから』
そう言って、あの男の事を話した。
最初、滝沢くんは『モテモテじゃん!』なんて笑って言ってたけど
私が真剣に話してくにつれて、その表情は曇っていった。

『そっか。倫子さん大変だったんだ。。。で、その後大丈夫なの?』
『うん。今んとこはね。でも・・・またいつ私の前に現れるか心配』
『そんな時は俺が守るよ』
真剣な眼差しで言われて心臓が止まるかと思った。
『ありがとう・・・』
私は、ありきたりの言葉を返すのが精一杯だった。

『あっ、俺タッキー王子でしょ。だから護衛の人もいっぱい居る訳よ』
『じゃぁ・・・斗真くんでお願いします』
『OK!じゃ、今日一緒に帰りましょう〜。お姫さま』
『はい!王子さま』
『ギャハハ〜』 『キャハハ〜』
2人は同時に笑った。
結局最後は、ふざけ合って終わる。でも、そんな関係も居心地が良かった。
ずっと前に立ち読みした雑誌の記事にこんな事が書いて有ったのを思い出した。

俺は人と話すのがとにかく苦手で・・・特に女の人にダメって感じ。
初対面の人には異常な警戒心抱いてたから。今もそうだけど(笑)
心の底から何でも言い合って、冗談なんかも言い合える。
そんな友達みたいな関係の女の人って・・・居ないなぁ。
居たら?もぉ〜そりゃ〜好きになるでしょ!(笑)

これを読んだのは、魔女の条件の撮影をしていた時だったっけ・・・
その後、ピッタリ当てはまる女性は現れたのかしら?
私は?・・・なんてね。
会えばいつも冗談を言い合ってるけど・・・好きって感じじゃないしなぁ。
私は帰りの車の中で思い切って聞いてみようと思った。
けど・・・結局聞けなかった。
滝沢くんは斗真くんと真剣に春のジュニアのコンサートの話をしていて、私が入る隙も無かったから。
明日が最終日だから気合も入るよねぇ。仕方無いかぁ。。。

―つづく―


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