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君を想うとき・・・ 第2章
we can fall in love
2000年10月
海亜 作


『あっ、お疲れ様』
私は冷静さを取り戻そうと必死だった。
『お疲れ〜っす。あれ?佳子さんは?』
『あっ、なんか打ち合わせが有るらしくって。
だからメイク落としは私がやるよぉ』
『あっ、そうなんだ。へ〜倫子さん出来んの?』
滝沢くんは意地悪っぽく言った。
『あー。ばかにしてるぅ〜』
私はムキになってしまった。今や国民的アイドルのタッキーに向って。
『あはは。冗談だって。そんなムキになんないでよぉ〜』
くそぉー。年上をからかうなんて・・・100年早いっ!つ〜のっ。
でも嬉しい!なんて思っちゃった。

『何か良い事あった?』
『えっ?何で?』
『倫子さんって分かり易いもん。
嬉しい時はニコニコして“もぉ〜幸せっ!”って感じだし
悲しい時はドンよりして“もぅ。。。ダメ”って感じで。
表情っていうか目を見れば大体分かるね』
滝沢くんは、そう言うと鏡越しに私の目をジーっと見た。
私は、その大きな澄でる瞳に魅せられて顔が赤くなってしまった。

『まっ、またバカにしてるでしょぉ。もぉ〜』
『あっ、バレた?倫子さんって年上に思えないんだよね。
なんつ〜の。可愛いって感じ』
そう言いながら目はイジメっ子みたいにギラギラしてた。
『はいはい。ありがとね』
私は軽く聞き流した。

結局、滝沢くんに明日、今井くんの取材があって 初めて1人で担当する事になったのを言えなかった。
言えなかったというより言うタイミングを逃してしまったという感じ。
いつもこんな調子で、ふざけ合ってしまうからかな。。。?

今でこそタメ口きいてるけど、最初会った時はアイドルとしてのオーラ・・・
と言うより人としてのオーラが出ていてなかなか話せなかった。
たまに敬語を使うと滝沢くんが『あ〜敬語使ってる。寂しいぃー!』
なんて言うもんだから、それにすっかり甘えている。
佳子さんは『私なんて半年はかかったんだからぁ。。。』なんて 可愛い嫉妬をして私を時々困らせる。
私はそんな佳子さんが大好き。そして滝沢くんの事も・・・


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