儚き春の光・・・八夜 hikari akihide story |
2001年7月 海亜 作 |
話し合いの結果 3人官女は、不在の、やまぴー、斗真、風間 5人囃子は、翔くん、松潤、二宮、相葉ちゃん、大ちゃん お内裏様は翼に決まった。 『わたくし・・・今まで明秀さまを誤解していました。 こんなに明るく、お優しい方だとは・・存じておりませんでした』 この時代に来て初めて見せてくれた優しい表情の翼。 俺も最初は酷いヤツだ!って思った。 周りの反響を見て冷酷で自分勝手で女しか愛せないようなヤツだと。 でも、色んな経験をし、分かった。 それから、心の扉をゆっくりと開けるように話した。 朱果に教えてもらった訳でもないのに まるで見て来たかのように自然と色んな言葉が口から出た。 みんなと距離を置いていたのは そうする事で威厳を保ってきたんだと思う。 明秀は、きっと誰よりも愛情を欲しがっていたと思う。 幼い頃、母の胸に抱かれる事もなく養子に出された。 そして物心付いた頃から英才教育。 毎日のように「お前は上に立つ人間だ」と諭されてきた。 両親の愛情を感じる事がないまま過ごした幼少時代。 自分は何のために生まれてきたのだろう・・。 自分を愛してくれるのは地位や名誉があるから? だから色んな女性を愛した。 それはまるで子供が母親を求めるかのように。 だけど、周りの男達はそれを理解する人は1人も居ない。 当たり前だけど反感、妬みをかった。 学友とも話しをする事が殆ど無く、次第に孤立していった。 近付いてくる男は、みな敵に感じた。 自分の心を見せる=弱みを見せる事だと思った。 『よくよく考えたら・・・淋しい人生だな』 客観的に見てそう思った。 『今からでも遅くないと思います』 翼が言ってくれた。 『えっ?』 『今日、初めて明秀様の本心を伺い・・正直・・・驚きました。 ここに居るみなも驚いていると思います。 これからは、どんな事があっても明秀さまに忠誠を誓います』 『あ、ありがとう』 少し照れながら答えた。 その夜。 布団に入って天井を見上げた。 いかにも金持ち!って感じの金張りの天井。 凄げぇ〜〜。 今まで、こんなシミジミ見た事なかった。 少しは心に余裕が出て来たって事じゃないの? 朱果が現れた。 『そ、そうなのかな?』 うん。そうだよ。今日も最大の問題を解決したし。 さすがタッキーって思ったよ。ほんと、良かったね。 『ああ。でも、まだ安心してはいられないんだよな・・』 どうして?みんなの事信じられないの? 『あ、その事じゃなくって。。。雛の舞をする事になったけど、何をしようかな?ってさ』 どういう事? 『ただ普通の踊りじゃ物足りないって言うか・・・。観てる人を“あっ!”と驚かせたいんだよなぁ』 なるほどね。 『俺の考えてる事、ちょっと聞いてくれる?』 うん。 そして俺の考えてる事を話した。 朱果は“いいんじゃないの?”と言ってくれた。 『明日みんなに言ってみるよ』 うん。きっとみんな大賛成するよ。 『そうだといいんだけどなぁ〜。ふわぁ〜・・・』 あくびが出た。安心したら眠くなってきたのかな? もう少しで・・お別れだね。 この数ヶ月、ずっとタッキーを見て来て 改めて、この時代に呼んでよかったと思った。 僕達の未来を救ってくれて・・ありがとう。 おやすみ。 朱果の声が子守唄のように聞こえる。 俺は、その言葉を最後まで聞かず眠ってしまった。 ―つづく―
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