Drive date____
前編 |
2001年5月 しいな 作 |
今日は久しぶりの休みだ。それも・・2日間!! 本当は、コンサートも横浜まで終わってホッと一息って感じかな。 ちょっと寝ていたいなぁ・・なんて思ってたんだけど。 そんなとき・・彼女から携帯にTELが掛かってきた。 「今日は、お休みだったよね。どっか行こうよ。」 彼女は明るい声で元気にそう誘う。 「たまにはいいじゃない。部屋にばっかりいたらカビがはえちゃうよ。」 うーん・・君にもしばらく会ってない。遊んでもいない。 ということは・・いい雰囲気にも・・しばらくお預け状態なわけで・・。 「そうそう・・いい加減・・車の助手席に乗せてよ。」 えっ!車の助手席っ・・。なんか・・デートらしくなってきたな・・とドキドキする。 彼女と待ち合わせ場所を決めて携帯を切った。 どこに行こうか・・。オレはさっきまで渋っていたのに、デートモードになってる。 なんだかウキウキしてるかも。何だか・・期待しちゃってる。(何を?) 支度を終えて家を出る。車に乗り込んで彼女を待ち合わせ場所に迎えに行った。 ※ 待ち合わせた場所に彼女は立ってる。 おもいっきり手を振っている。 いつものようにニコニコと笑ってオレを待っていた。 赤い七分袖のシャツ。プリントが入っている。パンツはジーンズで古着っぽくて いい感じの色。(どこで買ったんだろ。)足下はスニーカー。 アクセサリーは、ピアスと 右手の薬指のリングぐらい。 だけど・・彼女が近づいて来るにつれて・・オレの顔が赤くなって行くのがわかる。 シャツが微妙な丈で・・ジーンズも腰で履くタイプのせいか・・。 へそが見えそうで見えない感じで・・やばい・・。 「久しぶりー。これが・・秀くんの車かぁ。」 君は・・車に乗り込むと珍しそうに見回す。 「どこ行く?あんま・・道わかんないから遠くは無理だけど・・。」 オレは隣にいる君にそう聞いた。 すると君はオレの顔をじっと見つめる。 今日は・・少し化粧をしてる?いつも・・ナチュラルだから何か新鮮。 自然な感じで少し大人っぽく見える。少しの間見とれてしまう。 「じゃぁ・・海がいいな。」 おもいっきり遠くじゃん!とつっこみを入れたくなる。(笑) お台場は人が多いし・・どこにしようかな? 「OK・・じゃ・・行くよー。」 そうハンドルを握り・・アクセルを踏み込んでいく。 あまり・・人がいなくてゆっくり出来るところがいいなぁ・・。 (だって・・落ち着かねーもん。) ※ 来る間・・免許取得が2年ほど先輩の彼女が指導員って感じでうるさかった。(笑) なんか・・うちの母ちゃんみたい。って言ったら怒るかな。 窓を開けて風を感じながら車を走らせて行く。 さっきまで元気にさわいでた彼女は・・瞳を閉じてる。 おいおい!若葉マークの運転手の助手席でよく寝れるなぁ。 マネージャーさんと2人目だよ・・。(自分で言うのもなんだけど・・。) そう・・思ってると、目的地に着いた。砂浜に車を止める。 「着いたよ。」と声をかけるが・・横を見るとまだ夢の中みたいだ。 起こそうかなっと思ったけど・・無防備な寝顔を見ていたい・・なんてのぞき込んだりして・・。 好きだよ・・。 心の中で・・つぶやく。なかなか・・面と向かって言えねーんだ・・これが。(照) ふと・・君の顔を見つめていると、艶やかな唇が気になる。 オレは・・人なんているはずもないのに辺りを見回す。 そして・・君のくちびるに・・自分を重ねる。ふっくらとした感触。 ほんとに触れるだけのKISS。 それだけなのに・・全身が熱くなる。 「そういう起こし方って・・有り?」 君の瞳が開かれて、微笑みながら、そう聞いてくる。 ああ・・くそぉ・・この笑顔に弱いんだ。 「いい天気で良かったねぇ。」 君は海を見つめる。その表情がきれいで見とれてしまう。(カメラ持ってくれば良かった。) 「うん・・。あのさー・・次・・どうする。?」 オレは、ひとつ伸びをして・・頭の後ろで腕をくんでシートに寄りかかる。 ああ・・何だか久しぶりにゆっくりとした時間が流れてる。 リラックスムードのオレは、目を閉じて彼女の反応を伺う。 「温泉がいいかなー。」 「はぁ?温泉!」 ・・と目を開けると・・君の度アップの顔が! 「さっきのお返し。」と言ってすかざず首を傾けてくる。 オレは・・瞳を閉じる。君の髪が頬にかかる。やわらかな唇。 「さっ!行こっ!それとも、もう疲れちゃった?運転変わろうか?」 ・・とさっきの甘いムードは、どこへやら。 明るく元気な声ではしゃいでる。 まったく・・人の気も知らないで・・。(この気分どうしてくれよう・・。) バックミラーを覗くと・・オレの顔は・・赤かった。 くそぉ・・今・・色白いからなぁ・・また、夏になったら灼いてやるっ。 ―つづく―
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