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ツリー Lion Heart 最終章 ツリー
2000年12月
海亜 作


12月24日。午後6:30。
大きなツリーが光輝いていた。
そして・・・少し目線を上に向けると。
【エンジェル】
クリスマス限定で2日だけ飾られる事になった。
うわぁ〜。恥かしいなぁ。
でも、イイ感じに仕上がってる。




あっ!雪。
空から降ってきた天使達・・・。

君を守る為 その為に生まれてきたんだ
あきれるほどに そうさ
そばにいてあげる

眠った横顔 震える この胸
 Lion heart

俺もいつかは・・・結婚して子供を授かるんだろう。
どんな父親になるんだろうか。
そして・・・どんな母親になってくれるだろう。

クリスマスはなぜか人恋しくさせる。
倫子さんに・・・早く逢いたい。

**************************

午後7:30。
あれから1時間以上も待っている。

う〜寒い。
倫子さん、遅いなぁ〜。
今日は帰って来ない?
まさか、そんな訳ないか。
でも・・・誰かと約束?
まっ、まさか・・・。

よし!絶対に待つ。待ってやる!
雪だろうが、雨だろうが、嵐でも・・・待つ!
そう意気込んでベンチを立った。

あれ?
降っていた雪がいつの間にか止んでいた。
空を見上げると・・・星が数個見えた。
天使が残してくれた宝石のように輝いている。

その時、遠くで澄んだ歌声が聞こえた。

〜さっきから 
もう首が痛くなるくらい 
見詰めている空〜


あっ!

傘をトントンと突きながら、ゆっくり歩いてる。
その格好が、たまらなく可愛いい。
そして時々、独り言なんか言ってる。
その表情が、切なそうで・・・愛しくなった。


〜私が見えている物すべて 
大好きなあなたにも見せたい〜


俺も・・・。
倫子さんに、この澄んだ夜空を見せてあげたいよ。
そして今まであった出来事を話したい。
でも、その前にKISSして抱きしめたい。
雪が溶けるくらい甘く熱いKISSを・・・。

失ったものは みんな みんな 埋めてあげる
この僕に愛を教えてくれた ぬくもり

変わらない朝は 小さなその胸
 Lion heart


―終り―




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